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3月が始まった。

あと6時間もすれば大家さんが家賃を回収しに来て部屋のドアを叩くだろう。

呼び鈴を押せばいいものを、毎回ドアをどんどん叩く。

しかも朝早い。大抵7時ころにはやってくる。

何回もその音で睡眠を妨げられ、2度寝の苦手な僕にとっては毎回月の初めは憂鬱だった。

それももう、最後になる。



2月最後の京都は3月中旬並みの暖かさで、かすかだけど春の予感が漂っていた。

「京都いるうちに色々回ってた方がいいよ。」

去年から横浜で働く友達はそう言った。

彼が言う「色々」とは寺社仏閣等、すなわち観光名所のことを指す。

残された時間を有効に使うためにはそれもいいかもしれない。

でも、僕が京都で好きな場所といったら、そういう場所ではない。

それは鴨川であり、喫茶店であり、インド・ネパール料理屋であって、およそ全国津々浦々から足を伸ばして観光客が目指すような場所ではない。

だからなるべくいつもどおり過ごそうと思う。

今までと同じような毎日を「いつもどおり過ごすのだ」と意識するのは何か変な感じだし、少し寂しい気もする。

寂しいというか虚しいというか。

特にセンチメンタルに浸りたいわけではないけど、どうも季節や時間といった我々にはどうしようもないものが、無理矢理にでもそちらへと引っ張っていく。

それに従う術しか、少なくとも今の僕は持ち合わせていない。



2週間の旅行から帰ると、下宿の近くのコンビニに営業は2月いっぱいまでと張り紙が張られていた。

コンビニというのは便利ではあるけれどあまり好きじゃない。

日本全国何処に行っても街中にはコンビニがあり、郊外にはジャスコがあるという風景に危機感すら覚える。

それでも、やはり24時間営業という利便性のよさから、例えば公共料金の支払いや、深夜に腹がすいたときなど利用することはあった。

それもなくなってしまうらしい。

2月29日の真夜中の1時、商品棚は半分だけになり、片づけが進められていた。

深夜に行くといつもいるアルバイトらしき店員は全体的にぽっちゃりしていて、髪の毛は坊主が少し伸びたような黒髪で、眉毛も手入れしているとは思えないほど太く、おまけに頬はいつも少し赤らんでいる。

一昔前の日本映画で、いかにも田舎(それも北の雪国)から上京してきたさえない大学生といった感じで、なんとなく深夜のコンビニという少しアウトローな世界観を柔和にしてくれる風体であった。

そんな彼はもう次のバイトでも探したのかな、などと彼にとっては大きなお世話だろうがそんなことを考えながらUFOとコーラとクランキーを買った。

そうしてそれまで意識もせずに勝手に日常だと思い込んでいた風景が一つ消えた。

その辺の突発さは相変わらずらしい。
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